ガンプラ班 ① 概論
1.ガンダムとは?ガンプラとは?
ガンダムとは、1979年に放送が開始されたアニメ「機動戦士ガンダム」とそのシリーズを 指す概念であり、主人公が乗る人型ロボットを指す固有名詞でもある。
ガンプラとは、それらの作品に出てくる人型ロボットをプラモデル化したもので、 株式会社バンダイが1980年7月に発売を開始してから累計出荷数7億個が販売されている。
2.進化するバンダイ
「ガンプラは進化モデル」誰が最初に言ったかは不明だが、発売当時からユーザーの間で広がっ ている評価だ。 最初に”進化”したのは、最初のガンプラと言える「ベストメカコレクショ ン」No.4 1/144ガンダム。白単色の整形で塗装、接着剤必須だ。画 像中央、左端に見えるのがサーベル。
第一次生産時点では中央の二本しかなかった。だが、背中に納刀す るシーンを再現するには折らなければならない、折ると抜刀時が表せ ないという難点があった。金型を直すには金属盤を掘らないといけな い。バンダイはこの金型修正作業を即刻行い、第三次生産から四本に増えた。
現代ではバリエーションキット(共通のパーツを流用したキット)と呼ばれる、金型改修に近いこと が多々行われている。その際は、スイッチと呼ばれる 切り替え部に注目するといいだろう。スイッチはプラスチックの 流れを変えることができるT字状のものだ。
↓実際に使われているところ
↓ランナー上の様子
スイッチを使うと、似た形のロボットを発売する時に流用が利くため、新発売商品の金型を1から 作らなくても良くなる。 またその際、新しく金型を繋ぎ増やしたパーツもそうだが、そのキットではいらなくなるパーツも出 てくる。その場合は逆に、スイッチを閉じるのだ。 上の写真では、オレンジ色のランナーのうち、写真より上側に成形されているパーツは 二組、下は一組いるため、下に行くプラスチックの道を止めている。 こうすることで幾分か材料を節約できる。
3.最新のバンダイの(変態的な)技術
最後はガンダムから離れ、エヴァンゲリオンのプラモデルで使われているバンダイの変態的な凄 い技術を紹介しよう。エヴァンゲリオン劇場版・破のラストで一瞬のみ現れた エヴァンゲリオン Mark.6 が今年の6月、バンダイからプラモ化された。 以下はそのランナーの一部だ。
↓頭のパーツ
↓槍の先端
ランナーは、簡単に言うと二枚の金型を密着させ、間に溶かしたプラスチックを流し込んで 作る。だから同じパーツに四色も流し込めるわけがない。まして、ねじれた構造など再現しようが ない!と、思っていたのだが......
頭のパーツの多色成型はともかく、槍の先端のパーツ にいたっては、もはや金型を想像できない。
先ほど、「二枚の金型を密着」と言った。 二枚の金属板型で挟むので、当然金型を外す方向 (ランナーに垂直な方向)にしか穴は開けられない はずだ。だが、形からして、明らかに複数の方向 (青い線の向き)へ抜かれている......
4.終わりに バンダイの進化の歴史、それにより築き上げられた驚異の技術を感じていただけただろうか。これを読 んで、プラモデルに興味を持っていただけたら書いた甲斐があるというものだ。 だが、開成志望者の方々は、くれぐれもプラモにハマるのは入試後にしてほしい。
以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次のページから作品紹介になります。引き続き、「開成模型製作所」ガンプラ班をお楽しみください。
0コメント